【最新】青春小説おすすめ16選!大人になっても読みたい名作を紹介

青春時代の学生たち 小説
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誰もが一度は読んだこと、聞いたことがあるであろう「青春小説」という言葉。
今回はそんな青春小説に焦点をあてて記事を書きました。
この記事を読んで、少しでも青春小説について知っていただけたら、幸いです。

青春小説のおすすめ書籍を大人になっても読んでほしい!

青春小説と聞くと皆さんはどのような小説を思い浮かべますか?

大人になってから特に学生時代の思い出が物凄く、色濃く輝いていたことに気づきますよね。良くも悪くもですが、切り取られたふとした一瞬一瞬が尊いのが「青春」なのではないのかなと染み染み思います。

私自身も社会人になってからの方が青春小説を頻繁に読むようになりましたし、読んでいる本の内容や登場人物の言動、景色や風景の描写などに心を動かされる機会も多くなったと感じています。

青春小説を大人におすすめする理由

青春小説の魅力は何?と質問されても、そこまで深く考えたことがない人が大半だと思います。

私が考える青春小説の魅力とは、「青春時代(学生時代)つまりは思春期の若者の心情の変化に共感したり、懐かしんだり、羨んだりできること」だと思います。

大人になると、学生の時に比べるとストレスが増え、精神が疲れてしまうことがあると思います。そんな時、青春時代の輝かしい思い出に触れることで少しでも気が楽になれば、仲が良かった友人や恩師に会うきっかけや明日からも頑張ろうという活力が湧いてくるかもしれません。

また今、青春時代の真只中にいる学生は、憧れや憂い時には嫉妬などを抱きながらも自分自身も今の日常を大切にしようともっとに思えるようになるかもしれません。

このような力が私は青春小説にはあると思います。

今回はそんな青春時代を描いた数々の作品の中なら名作と呼ばれるものや最近出版された作品などを紹介していきます。

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青春小説のおすすめ16選

あの頃の恋心をもう一度味わいたい大人におすすめの青春小説8選

夜のピクニック:恩田陸(2004年)

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あらすじ

とある高校の行事「歩行祭」を描いた青春小説。歩行祭とは全校生徒が約2日間に渡って特定の場所から学校を目指し歩く行事である。途中仮眠を挟み、合計約12時間歩き続ける。

最初の1日目は「団体歩行」と呼ばれクラスで、2日目は「個人歩行」と呼ばれ気の逸れた友人や恋人、部活仲間と一緒に。今年3年生で同じクラスになった甲田貴子と西脇融はお互いに共通の問題を抱えていた。入学以来、お互いに意識はしているものの一度も話したことのない2人。

そんな中、開催される高校生活最後の「歩行祭」で甲田貴子は1つの賭けをしようと決めていた。彼女が歩行祭で行った賭けとは何か。2人の間にある問題とは何なのか。

感想&書評

12時間の間、ゴールを目指して歩くというシンプルな行事でありながらも普段の学校生活では経験し得ない体験でその最中には様々な出来事や会話が生まれ、ずっと隠しておきたかったことや今まで話したくても話せなかったこと、一方で本心を悟られまいと駆け引きしているようなことでも、話せてしまうような魔法があるのかもしれないですね。

それはきっと友達同士の友情や高校時代の甘酸っぱい恋、受験やこれから先の進路の話、さらには知られたくないような過去の話など話題は登場人物によって十人十色です。ただ歩くだけ….。けれどもそれは限られた学生生活の中ではきっと限りなく美しくて、尊い青春であるのだと感じました。

自分自身もこんな経験してみたかったと、読んでいてちょっと羨ましくも青春時代の言葉にしたいけれどしたくないようなもどかしさを思い出すことができてあっという間に読み終わってしまいました。

塩の街:有川浩(2010年)

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あらすじ

塩害」という塩が世界を埋め尽くす時代。崩壊していく東京で暮らす秋庭と真奈。航空自衛隊の秋庭は終わりゆく世界に滅びの隕石が降り注ごうとするのを阻止しようと試みる。理由はただ1つ。

「好きな人を守りたいから。」もしも世界が終わってしまうとしたらあなたは何をしますか?自衛隊3部作品の1作目!有川浩デビュー作である終末ラブロマンス小説にあなたの感情はきっと揺さぶられる。

感想&書評

塩害という独特なテーマ設定だが、デビュー作とは感じさせないような描き方が印象に残りました。3部作で残り2作も同様に自衛隊が作中の中で登場しているのですが、インフラや物流などのシステムが崩壊してしまった終末の世界と恋愛がうまくマッチしていて読んでいて飽きなかったです。

代表作は「図書館戦争」だと思いますが、デビュー作3作品もそれに負けず劣らず好きな作品です。

君の膵臓を食べたい:住野よる(2015年)

あらすじ

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。その本のタイトルは「共病文庫」と書かれ、内容は日記帳になっていて作者が膵臓の病を患っており、余命がもうあまりないことが綴られていた。慌てて本を閉じるとそこにはクラスメイトの山内咲良がいて、「共病文庫」は彼女の持ち物だと告げられる。

彼女の秘密を知ってしまった僕は彼女のお願いを断りきれず、振り回されてしまう。余命わずかとわかっていながらも、それを感じさせずに過ごす咲良に惹かれていく僕。読み終わった後、あなたはきっとこの作品のタイトルに涙せずにはいられなくなる。数々の賞を受賞し、映画化もされた王道系の純愛青春小説。

感想&書評

何度読んでも、そのタイトルの秀逸さに感動してしまいます。青春恋愛小説の王道です。最初この本を読んだ時、もちろん号泣はしたのですがそれまでの展開の作り方であったり主人公の「僕」がだんだんと成長していく姿などどんどん引き込まれながら読み終えてしまった記憶があります。

咲良と2人で旅行に行って、ホテルでお酒を飲みながら「真実と挑戦」というカードゲームをする時の話などは読んでいるこちらもすごく胸がドキドキしました。命を扱っている青春小説だからこそ、儚さと美しさが際立っていて、色々考えさせられる作品だと思います。

君は月夜に光り輝く:佐野徹夜(2017年)

あらすじ

中学校1年生の時に大切な人を失ってから、どこか投げやりに生きている卓也。高校生になった彼のクラスには「発光病」でずっと入院している少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう言われ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。

彼女の名は渡良瀬まみず。余命わずかな彼女には死ぬまでにしたいことがあると知り、卓也は彼女の代わりにそのやりたいことを行う約束をする。その日から卓也の何気ない日常は変化し始める。心に染みる感動の青春ラブストーリーにきっとあなたは涙する。

感想&書評

2019年に映画化された作品で人気作品ですよね。まず作品の中に出てくる病名とその症状の「発光病」という設定に驚きました。私の中の光のイメージはイルミネーションや星などポジティブな要素が強いのですが、それを病気というネガティブな要素と組み合わせているところに脱帽しました。

また登場人物の性格や言動にも惹かれるところがたくさんあって、卓也は過去のトラウマがあって少し危ういところがあることや、まみずの天真爛漫ながらも必死に生きようとするところは読んでいてとても引き込まれました。

そして、作中に出てきた、中原中也の詩はやはり特別な意味があって私自身も興味が湧きましたし、著者の他の作品も読んでみたくなりました。

半透明のラブレター:春田モカ(2017年)

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あらすじ

普段はずっと寝ていることが多いのに頭脳明晰な日向。そんな日向に憧れを抱き、話しかけることに対して勇気が出せないままのサエ。ふとしたことがきっかけで二人は仲良くなるが、ある日、サエは日向から衝撃的な告白を受ける….。

それは「俺は、人の心が読めるんだ」という非現実的な内容だった。その能力に向き合いながらも振り回される二人。二人を待ち受ける運命的なラストとは何か。

感想&書評

ラブレターにまつわる物語だと思っていたのですが、読んでみたら相手の心が読める能力についての話がメインで驚きました。日向とサエの2人の主観から描かれており、心情の描写は爽やかさや純粋さが際立っていて、読んでいて心が温かくなりました。

設定自体はどちらかというと少女漫画ぽいと思ったので、女性の方向けなのかなと感じました。設定や文体はやはりどこかケータイ小説なところがあるので気軽に読むことができて初めて恋愛小説を読む人も読みやすい作品だと思います。

君に恋をするなんて、ありえないはずだった:筏田かつら(2017年)

あらすじ

地味で冴えない男子・飯島靖貴は高校3年生の夏の勉強合宿の夜に、クラスメイトの北岡恵麻が一人で困っているところに遭遇し助けた。それから恵麻は、学校の終わった後の塾の帰りでだけ、靖貴に話しかけてくるようになった。高校1年生の時に隣の席になった恵麻に自身の親切心を裏切られたと感じている

靖貴は、彼女に苦手意識を持っていて、どうして彼女が自分に話しかけたり構ったりするのかがわからない。地味系メガネの男子とスクールカースト上位の派手系ギャル。普通では絶対に関わることのない二人が高校3年生の受験勉強や文化祭などの高校生ラストのイベントなどを通してお互いに意識し、すれ違う全てがもどかしく甘酸っぱいラブストーリー。

感想&書評

良い意味で簡単に感情移入してしまうような作品です。内容やストーリーはまさに高校生活の一部を切り取ったようで自分自身もこんな体験してみたかったと羨ましく思えたり、実際に似たような体験をした記憶が思い起こされて懐かしく感じました。

登場人物のキャラ設定も現実感があって、絶対にクラスか学年にはいるような人物が描かれていて読んでいて、とても共感を持てました。

ジャンル的にも王道系の恋愛青春小説といった感じで主人公の悲観的な思考や自己嫌悪感であったり、ヒロインの実は周りにはバレたくないような健気なところや虚勢を張ってしますようなところも読んでいてあるあると納得していました。

今夜、世界からこの恋が消えても:一条岬(2020年)

あらすじ

僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは。神谷透はクラスメイトの言いなりで罰ゲームとして同級生の日野真織に告白をする。真織からの返事は意外なものだったが、2人は付き合うことになる。付き合っていく日々の中で透は真織に徐々に惹かれていくが、ふとした時に真織の秘密を知る。

それは1日でその日の記憶がなくなってしまう病を患っていること。日ごとに記憶を無くしてしまう彼女と、一日限りの恋を積み上げ、それでも病が治るようにと奮闘していく日々。この日常は急に終わりを迎える。2人が直面する衝撃的なラストとはー。あなたはきっと感動して涙せずにはいられなくなる。

感想&書評

2022年に映画化された作品で、映画を見たことがある人は多いと思います。映像でもやはり感動して号泣するのは避けられないのですが、やはり原作も同様に物凄く感動します。誰かのために見返りを求めずにここまでできるのは単純にすごいと思うし、思い1つで何でもできてしまうのが青春なのだとも感じました。

逆に大人になった今だからこそ、当たり前の今を大切にして日常を生きていこうと心動かされた作品です。学生時代の儚くも愛おしい恋愛をもう一度味わいたい人はもちろんのこと、今学生時代の中高生にもおすすめできる作品です。

ストロベリームーン:芥川なお(2023年)

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あらすじ

高校の入学式早々に遅刻して校門を忍足で通過しようとした瞬間、佐藤日向は後ろから一人の美少女に声をかけられる。彼女の名前は桜井萌。彼女はその名前にピッタリの天真爛漫なアイドル級の美少女だった。校門で一目惚れしてしまった日向は萌に一方的に名前を聞かれ、その場を後にする。

入学式が終盤に差しかかっている最中、誰もいない教室でクラスメイトを待っているとドアからは先程話した萌が一人で入ってきて、同じクラスメイトだと知る。入学式当日の放課後に萌に好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる「ストロベリームーン」の話をされ、その直後彼女から告白され、付き合うことになった二人。

少し幼くはあるが幸せな瞬間を共有する高校生活を過ごしていた最中、日向は萌に残された時間がないことを知る。懐かしくて、切なくて、甘酸っぱくてそれでも胸がキュンとせずにはいられない感動の純愛小説。

感想&書評

ひとことで言えば、王道のヒロインが重病を患っている設定の恋愛小説ですが、登場人物がものすごくピュアで感情移入してしまいました。日向の優しさはきっと何か見返りや賞賛を求めてのものではなく「ただ単純に助けたいと思ったから助けた」と言えるようなヒーロー観の塊のようでそれを貫き通せるのが青春時代の無敵さだと思いました。

そこに惚れてしまう萌の心の美しさであったり、余命がもう僅かだと知りながらもそれでも必死に抗い続ける勇敢さであったり、日記に残すような感情的な言動の数々に人間味が現れていて、読んでいてすごく引き込まれました。日向と二人の親友との友情もとても懐かしく羨ましい気持ちになりました。

時間がない大人におすすめの青春小説4選

サクラ咲く:辻村深月(2012年)

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あらすじ

「約束の場所、約束の時間」「サクラ咲く」「世界で一番美しい宝石」の3つの物語が描かれた、短編小説集。3つとも同じ中学校、高校を舞台としており、それぞれ時間軸は異なるが所々登場人物が出てくる。

SF要素もありつつ、青春時代の友人との付き合い方やアイデンティティーの確立、夢や居場所の探究など様々なテーマで学校生活と友情が描かれている。

感想&書評

読書初心者にも読みやすい短編集になっているため、読書をこれから始める人や活字があまり得意ではない人におすすめしたい作品です。

特に2つ目のこの本のタイトルになっている「サクラ咲く」は中学校になってすぐの人間関係を描いており、自分自身のこれまでの性格や理想の自分とのギャップに苦戦しつつも、変わろうとする意志であったり、思春期のスタートと言われるような新鮮な感情を味わうことができます。

いずれの作品も青春時代のチクチクとした気持ちを感じつつ、そっと背中を押してくれるような優しい作品です。

サマータイム:佐藤多佳子(2003年)

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あらすじ

3人の少年少女がそれぞれ語り手となって、異なるエピソードを綴った4つの小説から構成される短編小説集。団地に住む伊山進と佳奈は1つ違いの姉弟で弟の進は誕生日に新品の自転車を買ってもらったが姉の佳奈は女の子だという理由でピアノを両親にプレゼントされる。

佳奈はそのことに納得できず、ピアノを弾くのが嫌いになってしまう。ある夏の日に進は市民プールで2つ年上の浅尾広一に出会う。彼は幼い頃の事故で父親と左腕を無くしていた。大人びた雰囲気の広一と進む、そして佳奈。この3人の関係性は何だか不思議な形だけれども特別な何かだった。

感想&書評

こちらも3人の視点から描かれる短編集となっていて、読書初心者の方は読みやすい作品だと思います。タイトルの「サマータイム」には、推測ですが恐らく2つの意味があると思っていて、1つ目は直訳的な意味で夏休みで進が広一くんとプールで偶然出会う描写や、広一くんが避暑地の別荘で暮らす描写などの、夏の爽快な感じが描かれていると感じます。

2つ目はジャズピアノのタイトルの意味でのサマータイムという曲。ピアノは3人の中で異なる印象を持っているが、3人を繋げる楽器として描かれているため切り離せないものであると思います。

中高生の人間関係、特に家族や兄弟との関わり方を3人の性格や視点で夏の日のように爽快に描かれていて読んでいてこちらも爽やかな気分になりました。

アーモンド入りチョコレートのワルツ♪:森絵都(2005年)

あらすじ

あの頃を描いた、中学生たちの短編小説集。思春期の入口とも言える、中学生の多感な感情や言動を3つのピアノ曲と関連づけて描いた作品。

1つ目の「子供は眠る」ではショーマンを別荘で鑑賞する子供達を、2つ目の「彼女のアリア」では不眠症を解決するための特効薬としてのバッハが、そして3つ目の「アーモンド入りのチョコレートのワルツ♪」ではピアノ教室に突如現れた外国人とそこの先生や生徒たちとの関係性をサティが登場する。

感想&書評

3つのピアノや曲などの音楽関係の観点から描かれた短編小説。少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏が描かれた「子供は眠る」では、グループの中における立ち位置や関わり方。またリーダー的な存在の頼もしさや煩わしさを感じるとともに、そのわずかひと時の思い出が素晴らしいものであると思い出しました。

2作目の「彼女のアリア」では不眠症の少年が虚言癖の少女と旧校舎で出会い意気投合し、毎週会う時間を大切にするところが青春だなと常々思いました。そして、題名の「アーモンド入りチョコレートのワルツ」では、特に音楽と登場人物との関連性が描かれていていて、なんだか読んでいるこっちもドキドキ、ワクワクするような気分になりました。

どれも短編集と言うこともあり話の展開も割とあっさりとしていて読みやすいので時間がない時や移動中などにオススメです。

あの日、少年少女は世界を、:櫻いいよ(2023年)

あらすじ

高校2年生の鈴村実はとにかく噂が嫌いな性格で自分の周りの世界を否定し塞ぎ込んでいた。そんな時、クラスメイトからある噂を耳にする。自分の暮らしてく街で赤いマントを被って人助けなどのヒーロー活動をしている人がいることを。

偶然にも実はその人物が同じクラスメイトの城ヶ崎聖良で、彼女がヒーロー活動している場面に遭遇する。彼女は実に、ヒーロー活動を一緒にやって欲しいと提案する。かつてヒーローに憧れて活動し、「正義」を信じられなくなりやめてしまった少年とヒーローになりたい少女の物語。

2人が出会った時、世界は少しずつ変わり始める。「正義」とはまた「悪」とは何なのかを青春時代の男女が追い求める感動の作品。

感想&書評

「交換ウソ日記」の作者が書いた最新作で恋愛要素が強いのかなと予想していましたが、いい意味で裏切られました。幼い頃、誰もが憧れたであろう「ヒーロー」について描かれた作品で主人公とヒロインがそれぞれのヒーロー観や「正義」「悪」とは何なのかを過去と現在の軸に沿って描かれていました。

青春時代特有の思い悩む描写やいじめのシーンなどはやはり読んでいて心打たれるところがありました。自分自身も世界や社会の理不尽さや深刻さに迷い、戸惑う時もあるけれどそんな時にヒーローと呼べる存在がいたら安心できるのかもしれないなとふと思いました。日常系で展開が割とサクサクと進んでいくので、読書が苦手な方でも読みやすい作品だと思います。

非日常を味わいたい大人におすすめの青春小説4選

屋上のテロリスト:知念実希人(2017年)

あらすじ

1945年8月15日、ポツダム宣言を受諾しなかった日本はその後、福島を堺に壁が作られ東西に分断された。そして、70数年後の今。両親の死去をきっかけに飛び降り自殺を試みようと高校の屋上に訪れた彰人は不思議な少女・沙希に出会う。

沙希の誘いに応え契約を結んだ彰人は、少女の仕組んだ壮大なテロ計画に巻き込まれていく。鮮やかな展開、待ち受ける衝撃と感動のラスト。世界をひっくり返す、超傑作エンターテインメント!

感想&書評

読んでいて、ドキドキ、ワクワクするような作品。沙希の突拍子もない、計画に振り回されながらも結んだ契約を全うしようと奔走する彰人が読んでいて爽快感がありました。現実には起こりえない内容だからこそ、色んな想像が膨らみ、読んでいるこちらも引き込まれるような魅力があります。

展開がスピーディーに進んでいくので読んでいて飽きないし、次の展開を早く知りたくなります。ちょっと普段とは違うジャンルや王道系の恋愛小説などに少し飽きてしまった時などにオススメの作品です。

この本を盗む者は:深緑野分(2020年)

あらすじ

書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。

“この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる”本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。

感想&書評

王道系の青春小説と違って、ファンタジー要素が強い作品でした。本が常に身近な存在にありながらも本を嫌いな主人公の言動や感情は思春期真っ只中という感じで感情の起伏が激しく、変なところで喜んだり常に何かに苛立っていたりと青春時代の心情を上手く表現されていたと思いました。

また、この作品の要である作中作品もどれをとっても1つ1つの物語の魅力があって、更なる本への好奇心が湧きました。そして、ラストの物語の核となる主人公の家系と祖母が関わる場面では予想もしていなかったような展開で最後のシーンは一気に読んでしまいました。作中作品1つごとに章が区切られているため、ページ数は多いですが内容は読みやすいと思います。

ぼくと、ぼくらの夏:樋口有介(1991年)

あらすじ

高校2年生の夏休み、同級生の女の子が橋から投身自殺した。刑事の父親からその事件の詳細を聞いて不可解な点があり、自殺ではないのではないかと考えた僕は映画を見るために訪れた街で同級生の酒井麻子にその事件のことを話してしまう。話していくうちに被害者と麻子は過去に友人関係であったことがわかって、その同級生の死の真相を二人で解明しようと決意する。

何事にも無関心で刑事の息子の僕と少しヒステリックでヤクザの娘の彼女。二人が突き止めた事件の真相とは。サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した、青春ミステリーの歴史的名作。

感想&書評

結構前の作品にも関わらず、話の展開や主人公の二人が交わす会話や行動が面白く読んでいて飽きませんでした。また青春ミステリーという設定も現代の作品にはないように描かれており、高校生が実際に聞き込みや推理などを行う作品はあるのですが、ラストの真相解明まで全てやってしまうという設定に驚きました。

また、これは昔の作品だからこそなのかもしれませんが「タバコ、酒、売春」というような風俗描写も他の方が感想や評価している通りで読んでいても違和感や不快感はなくてすんなりと頭に入ってくるような感じがしました。いつの時代も名作と呼ばれる物にはそれ相応の理由や人々を魅了する何かがあるのだと改めて思いました。

いなくなれ、群青:河野裕(2014年)

あらすじ

ある日、僕は出会うはずのない人物に再会してしまう。真辺由宇。彼女は誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女。彼女と再会してから、僕(七草)の学校生活は激変する。奇妙な島で目覚め、島民からそこは「階段島」と呼ばれる現実世界で捨てられた自分自身の何かが辿り着く場所だと聞く。七草を捨てた自分自身は一体何なのか。

七草はどうして、ここにいるのか。また真辺由宇は何を捨てたのか。島で起こる連続落書き事件には衝撃的な謎が秘められていて…。青春時代から大人になる人間の心のあり方やアイデンティティの確立について描かれた「階段島」シリーズの第1作。

感想&書評

現実ではまずない設定であるにもかかわらず、描かれている階段島の様子がすんなりと頭に入ってきます。島で起きる数々の不可解なことを七草と真辺が解き明かしていき、階段島の真相に迫っていく様子はどこか読んでいて冒険小説を感じさせます。

そこに作者の独特でありつつも繊細な感情表現が合わさって、いい化学反応が起こっていると思います。また、島で出会う人々も人それぞれ癖のある性格や過去を抱えていて、面白かったです。

この「階段島」シリーズは6作あるのですが全ての作品のタイトルに色が使われており、本の内容と関係していたり、作中の中で登場人物が実際に言っているセリフもあったりするのでその意味を考えるのも楽しめました。

【まとめ】青春小説は何歳になってもおすすめ‼︎

青春小説は登場人物が主に学生をメインに扱う小説ですが、何歳になっても思い出に浸ることはできると思います。


また、青春小説はジャンルがたくさんあり、その時の感情や気分によって楽しめるので自分に合った作品を選んで読んでみてはいかがでしょうか。

こちらからも青春小説の人気作品や最新作品などが購読可能ですので、ぜひ試してみてください。

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