【有川浩】おすすめの自衛隊三部作「塩の街・空の中・海の底」を解説

小説
※アフィリエイト広告を利用しています

有川浩(ありかわ ひろ)さんと言えば、「図書館戦争」や「植物図鑑」、「阪急電車」など数々のヒット作品を生み出した日本を誇る有名作家の1人ですよね。

作品の特徴としては「日常生活の中に少し現実ではありえなさそうな設定を含みつつも、恋愛要素が強いイメージ」という魅力や特徴があるのかなと思います。

今回はそんな有川浩のデビュー作と呼ばれる「塩の街」と他の自衛隊作品について、あらすじや読んだ感想、おすすめのポイントなどを踏まえてご紹介していきます。

有川浩 自衛隊三部作シリーズとは

2003年に小説家としてデビューした有川浩の自衛隊を題材とした小説群のことを指し、「塩の街」をデビュー作としその後に三作出版されています。

いずれの作品も軍事的な物語設定とロマンチックな要素を特徴としており、後に出版され映画にもなった話題作「図書館戦争」に通づるところがあると考えられます。

簡単に自衛隊三部作シリーズについて、まとめました。

タイトルジャンル(特徴)出版年
塩の街SF、陸軍自衛隊、恋愛2004年
空の中SF、空軍自衛隊、恋愛、ミステリー、友情2004年
海の底SF、海軍自衛隊、恋愛、パニック、ヒューマンドラマ2005年
※これらの作品はすでに文庫化されています。

自衛隊三部作シリーズの読む順番

読む順番に関しては特に自由ですが、出版年順に読んでいった方が時系列順になっていますのでおすすめです。

基本的にはいずれの作品も独立した長編小説ですので、気になった順に読むのも良いと思います。

有川浩 自衛隊三部作

それでは三作とも読了済みの私が思う、自衛隊三部作シリーズの感想や魅力について簡単に紹介していきます。

※ネタバレも含みますのでご注意ください

塩の街(2004年)

¥734 (2023/10/13 11:54時点 | Amazon調べ)

あらすじ

世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた
「世界とか、救ってみたくない?」。塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。崩壊寸前の東京で暮らす男と少女に、そそのかすように囁く者が運命をもたらす。有川浩デビュー作にして、不朽の名作。

「塩の街」有川浩(角川文庫)

「塩の街」の魅力は何と言っても恋愛要素が他の2作と比較して強いという点だと思います。

始めはただの保護対象であったヒロインを恋愛対象と意識するようになり、遂には彼女を守るために未曾有の危機と戦おうとする主人公のヒーロー感が読んでいて清々しくなりました。

この作品を読むといつもこの質問が頭に響いていてきます。

「もし明日世界が滅ぶとしたら、あなたはどうしますか?」

おすすめポイント

・デビュー作とは思えない設定

・主人公とヒロインが描くロマンチックな恋模様

・登場人物それぞれが過ごす世界の終末の迎え方

空の中(2004年)

¥776 (2023/10/26 16:43時点 | Amazon調べ)

あらすじ

高度2万メートル--そこに潜む「秘密」とは?
200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残ったパイロットは調査のため高空へ飛ぶ。そこで彼らが出逢ったのは……? 全ての本読みが心躍らせる超弩級エンタテインメント。

「空の中」有川浩(角川文庫)

この物語は主に2つの視点で進んでいきます。1つは航空機事故に関わる視点で、もう1つは不思議な生物を拾ってしまった少年の視点です。

1つ目の航空機事故に関わる部分では、メインキャラクターの男女2人が事故の原因を解明しようとするミステリーの要素があり、そこに恋愛要素もプラスして描かれています。高度2万メートルで「異常事態」と遭遇する場面などは、特に読みながら想像してワクワク感と恐怖を感じました。

2つ目はクラゲのような変な生物を拾ってしまった少年のパートでその生物に「フェイク」と名付け、家で育てる様子が描かれています。少年と生物の触れ合う様子や周りの人の接し方など読んでいて心が温まりました。

おすすめポイント

・自衛隊パートで描かれる臨場感とドキドキ感

・少年少女パートで描かれる未知の生物との出会いやそれを愛でる家族愛

・原因や理由、謎に迫っていくミステリーを解いているようなワクワク感

海の底(2005年)

¥776 (2023/10/26 16:44時点 | Amazon調べ)

あらすじ

「奴ら」は、ぼくらを喰いにやってきた。その名は――
四月。桜祭りでわく米軍横須賀基地を赤い巨大な甲殻類が襲った! 次々と人が食われる中、潜水艦へ逃げ込んだ自衛官と少年少女の運命は!? ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント!

「海の底」有川浩(角川文庫)

自衛隊作品の中でも特にグロテスクな作品で、はじめて読んだ時は想像してすごく恐怖を覚えましたし、今でも現実に起こったらと考えると身震いがします。

海中生物が巨大化し、人間を捕食するようになるという食物連鎖が逆になってしまう設定で普段自分たちが捕食する側なのにいざそうなってしまうときっと絶望してしまうと思います。

それから逃れるために潜水艦の中に引きこもった未成年たちや海上自衛官たちも極限状態で各々人間が持つ、陰湿で姑息な部分が徐々に表れてきて少し読むのが辛かったですが、やはりそこにも恋愛要素があり、応援したくなる気持ちにもなりました。

おすすめポイント

・巨大化した海洋生物(甲殻類)と人間との戦い

・緊張状態の潜水艦で6日間を過ごす人々のヒューマンドラマ

・現実で起こると絶対パニックになりそうな設定

まとめ:有川浩の自衛隊三部作はデビュー作とは思えない傑作

いかがでしたでしょうか。

どの作品も作家デビューされて間もない作品とは思えないほどの、ストーリー性や感情表現が秀逸で読んでいると時間を忘れて没頭してしまうと思います。

有川浩の作品の原点を読むことで、現在の作品や似たようなテーマである「図書館戦争」との比較などもできて、より楽しむことができると思うので、見かけた時にはぜひ読んで見てください。

こちらからも簡単に人気作家や最新作品の購読が可能ですので、ぜひお試しください。

Kindle Unlimitedにサインアップして無料体験に登録する
Kindle Unlimitedに登録すると、人気のシリーズ、ベストセラー、名作などに好きなだけアクセスして、シームレスなデジタル読書体験を実現できます。
Audible (オーディブル) 会員登録 | Amazon.co.jp
Audible会員なら、数多くのオーディオブック、ポッドキャスト、限定コンテンツを月額1,500円で好きなだけ聴き放題できます。まずは30日間の無料体験を始めませんか?